8月

 最近はもう換気扇の下じゃなくても普通に家の中でタバコを吸っている。この前先輩と飲んでいたときに、どうしようもなく吸いたくなって聞いたら案外普通に許可されてからなんかもうどうでもよくなってきた。1人で勝手にタバコを吸っていることを特別なことだと思っていたのかもしれない。恥ずかしい奴だな。あと最近はまた少女漫画をよく読んでいる。近所のTSUTAYAにあった興味を引いたモノは全部読んでしまっていたけど、またそれをもう一周して読んでいる。こうなれば買った方が絶対に安くつくけれど本棚がもう一杯なのでどうしたものかという感じである。軽く調べてみたら本棚って結構高いらしい。いっそ自作してやろうかとか思う。鴨川あたりで流木拾ってやろうかな。そういや、数年前に関西テレビの「よ〜いドン!」の「隣の人間国宝さん」に出ていた高野川で石を積んでアート作品を作っている人(この説明ではよく分からないと思う。おれもよく分かっていない)が前澤友作のお金を配る企画の第一弾で100万(だったっけ?)を貰っていた。それがとてもガッカリした記憶がある。アーティストは案外お金に汚いとは言うけれど、自分の作品でお金を稼いでなんぼだろ、と思っている。そんなどうでもいいことばかりを数珠つなぎのように思い出している。夏休みに入ってからは週5で14時から20時までバイトして、帰りに一乗寺の定食屋でチキンカツを食って、帰ればラジオを聴いたりゲームをしながら酒を飲んで気づけば寝ている、みたいな毎日が続いている。学校があったときはまだ就活のこととかを考えていたけど、冷静に単位を振り返ればそれどころじゃない、と学期末に気付いてからは就活のこともどうでもよくなってきている。今のバイト先の、前の店長に「唐田くんはなにを言っても返事がいつも同じだよね」と言われたのを思い出す。その時もいつもみたいにヘラヘラしてやり過ごしたけど、あの人はおれが全部のものごとにキチンと向き合っていないことを見抜いていたのかもしれない。クセのある挨拶をする人だった。「っらしゃっせー⤴︎」「っりがと⤴︎ございまっす⤵︎」子供が生まれてすぐに転勤が決まって、兵庫の田舎の方に今は勤めているらしい。通っていた高校のいちばん近くにあった、スクールバスに乗っている全員の顔が死んでいた大学の出身らしい。またどうでもいいことを思い出している。