2020-2/27

  9時に起きた。今日も何も予定がない日だった。昨日はほとんど何もしていないに等しい日だったから今日は活動する、という気概でいた。そういう日は朝ごはんを必ず食べるようにしている、今日は食パンを焼いてさらに卵も焼いて食べた。それだけで素晴らしい1日になる気がしている。顔を洗い、着替えて10時頃には準備を済ませていた。10時半に少し偉い大人に電話することになっていたから、心を整えて電話をした。5分ほどで電話を終わらした、切った後にこれで5分だったのか、と驚いた、体感的には30分ほどの電話だった。すでに半日ほど活動した気分になった。11時頃に家を出た、12時までに目的のスパイスカレー屋に着きたい。

 

 昨日まで行こうと思っていたスパイスカレー屋が今日休みということだったので別の店にした、スパイスカレー屋は気まぐれで困る。休みの日が不規則すぎる、あれくらい気ままに生活をしてみたい。行ったのは西院にある「太陽カレー」という店だった。1時間ほど自転車を漕ぎ到着した、12時頃だったが、既に店内は賑わっていて5名ほどの人が待っていた。やけに小綺麗な店内でスパイスカレー屋らしさがないな、と思った。店員に名前を聞かれたので咄嗟に「ニシダ」と名乗った、全く意味なんかない、最近は「キタヤマ」という苗字を好んで使っている、ライブの取り置きなんかはほとんどそうだ。意味なんて全くない。唐田という苗字を使いたくないだけだ。待っている間メニューを眺めて、三元豚カツのカレーにすることにした。大盛りにしよう。「ニシダ様ー」と呼ばれた、全く初めて使った名前だったから一瞬反応に遅れて席を立った。この店内ではおれはニシダなんだ、カレーを食べよう。

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もっとスパイスが効いているものを想像していたけれど意外と欧風っぽさが強いものだった。ただ食べているとスパイスを感じたりして、かなり美味いのは確かだった。会計を終えて店を出て、やっぱりガッツリ香辛料の効いたカレーが食べたかったな、と思った、ちゃんと店の休みと、どんなカレーを出している店なのかも調べて行こう。

 店を出たのが1時前だった。西院の方まで出てきていたので、このまま四条に向かい古着を漁ろうと画策して自転車を漕いだ。大学入学の少し前から乗り出したクロスバイク、こいつと一生どこまでも行きたいな。御幸町通りの駐輪場に自転車を停め、そこから歩いて目当ての古着屋に向かった。この辺りには沢山の古着屋があるけれどおれが寄ることにしているのは2軒だけ、1回生の夏頃になんとなく寄った店2軒にずっと通っている。そのうち1軒の店長が退職したらしく、新しい店長になってから初めて行ってみることにした。かなり若い人になっていて少し驚いた、おれが入ってしばらくして話しかけてきた、今日はどんな服をお探しすか、から始まったけれどおれが店を出る頃には店長がこの前のアメリカ買い付けのときにアジア人というだけで嫌な顔をされた、という話になっていた。コロナ…。正直な話、コロナウイルスに対してかなり楽観的に見ている部分はあって、今日も河原町が空いていてむしろ嬉しかったりもしたし。けれど昨日か一昨日に日本の偉い人が出したお達しによって続々と音楽やお笑いの、おれがこれから行くライブにも関連するかもしれないものが中止や延期に追い込まれていてこれはかなり面倒なことになっているな、と少し感じ始めている。そりゃ感染る可能性はあるのだし、気をつけた方がいいんだろうけれど致死率はそんなに高くないらしいし(こうやって自分に都合のいい数字だけを並べて自分のことを正当化している)感覚的には他の風邪とかと同じだろう、この態度が間違っているのだろうか。なんでも中止や延期にすれば良いってもんじゃない、そのライブを見る為に頑張って生活をしている人もいるんだ、と3月の終わりに東京で待ち構える空気階段の単独のことを思う。夜行バスは走るのだろうか。同じく3月の終わりにあるロングコートダディの単独も、4月に予定しているいくつかのバンドのライブも、全てが開催できることを祈るしかない。そういう話をさっきの店長と少しした。チャンピオンのスウェットを買った。店を出る際にアメリカ土産のチョコを貰った。食べてみるとオレンジの風味が少し、その後はアメリカらしい甘ったるい味が残った。そこからもう一軒の古着屋に向かった。14時頃だった。店の前に到着してもシャッターが下りたままで、今日はそういう日?と思って店のインスタグラムを見るもなにも投稿は無かったのでちょっと待ってみようと、商店街を少し回ってみた。だいたい観光の外国人はマスクをしている中、ひとり白人の女性がマスクをせずにいて、それを見てマスクしろよ!とも思ったし、敢えてマスクをしないで日本に来る気概に天晴れ!という気分にもなった。向こうでもマスクは不足しているのだろうか?そんなことを考えながら20分ほど歩いて元の場所に戻った、シャッターが開いていたから店内に入り、そこでもやっぱり少し話した。普通に寝坊したらしく、平日の昼下がりは客もほとんど来ないから特に焦らずに来たらしい。自分の人生をかけているのに気楽でいいな、と思う。なにも買わずに店を出た。こういうこともできるようになった。14時半になろうとしている、帰ることにした。

 

 寺町通りを滑走し、出町柳まで出てきて、もう一つ、京大の前にある古着屋にも顔を出そうと思った、完全に服を買うことより店の人と話すことを目的として向かった。なぜかそういう人たちと話すことが最近楽しい。これは本当に最近身についた感覚だと思う。店に着いて30分ほど話した。お茶まで飲んで話した。結局コロナウイルスのことが話題に上った、ここの人もアメリカへの買い付けで嫌な思いをしたらしい。アメリカはインフルエンザが大流行しているらしい、行っても病気、帰ってきても病気、と笑いながら言っていた。16時頃に家に帰った。完璧な1日じゃないか、と思う。今からゲームをしたり日記を書いたりして、18時頃にご飯を作り、風呂に入り、ラジオを聴き眠る。完璧じゃないか。学校が始まったら休みの日はこんな風に過ごしたいな。理想の1日の話。